

そのすまいが建つ場所はとても大きな条件。周辺環境の様子から、日差し、風通し、プライバシー、眺望などを慎重に読み込みます。特に視界の抜ける方向を探すことを重視しています。
コンセプトハウスの敷地は南に道路が接してはいるものの隣家との距離がとれません。一方北側には遠くまで見渡せる山並みがありました。
南側に白い塗り壁の塀を立てて中庭をとり、北側に高窓を設けます。空を切り取った中庭は陽だまりをつくるプライベートガーデン。カーテンで閉め切らなくても気がねなくオープンにできます。
北側の高窓からは遠方の眺望が室内に奥行きをもたらします。外への繋がりがすまいのひろがりの根底を支えるのです。
「家の広さは40坪」という声をよく聞きます。
もちろん、くらしの実情を考えれば必要な場合もありますが、多くの場合、合理的なプランニングによって1割程度は小さくできます。コンセプトハウスは約37坪。廊下は極力つくりません。
リビングとダイニングは一体の大広間にしています。階段さえもリビングとダイニングの緩やかな仕切として、部屋の一部に取込みました。
和室は引戸一本で大広間と繋がります。
中庭に面する引込形式の開口部は、和室‐中庭‐リビング‐ダイニングと回遊できる仕掛け。
部屋の窓から庭を介して自分の家が見えることで、実際の面積とは比べ物にならないほど広く感じますし、ゲストルームとして、リビングとの程良い距離感をつくります。
2階は寝室などのプライベートゾーン。子供室は2室に分割可能な可変形式で、将来の変化に対応します。
流動的な子供の部屋は必要以上に大きくとらず、むしろ家族で共有できる、勉強や本読み、調べものができる場所を設けてあります。
部屋は細かく区切らずにおおらかにつくること、部屋同士を緩やかにつなげることで、「ひろがり」が生まれるのです。








