
夏の居心地のよさを軸に住まいを考えています。
風通しがよい部屋の内と外が溶け合うような開放型のすまい。引戸やすだれで内外を仕切り、深い軒で日差しを遮るのです。
そのつくりを現代の広島に置き換えたとき、南方の文化・リゾートのイメージと重なりました。
この地域は夏には晴天が続き雨水を貯める池が点在しているといいます。そうした土地の成り立ちをなぞり、敷地の中に池をつくりました。
池の水は雨水を利用していて、池に設置されたセキショウの木箱は水を浄化しています。
それはこの土地で生きるための知恵を示すと同時に、暮らしの潤いや豊かさの象徴ともなるものです。
夏には北側のハイサイドライトへと南風が抜けていきます。
南側の大きな開口の先には雨水を貯める池、夏の濃い日影から臨む水面は夏の日差しを受けて光っています。
冬にはあたたかい火と暮らします。
ソファの横に小さな薪ストーブ、自然素材の家になじむ自然燃料での暖房は、外気温や風の動きに左右されない輻射熱暖房です。
光や風と同じように自然のものとして、リビングで過ごす人に寄り添っています。
池を囲う土手があるように、薪ストーブを囲う小さなスペースをつくります。
脇に薪やほうきやちりとりを置き、傍らでゆっくりとあたたまりながら時を過ごします。
夏と冬、それぞれの風景を描く池とストーブは、ここで暮らす家族の中心にではなく寄り添ってそこにあって、どちらもこの土地での暮らしを成り立たせる要素であると同時に、潤いや豊かさを感じさせる、この家でのだいじな要素です。
余白の中に描かれるのは、風土に根ざしたくらしの豊かさ=リゾートライフなのです。
戎居 連太 + 越野 俊 + 仙道 香理








